応答せよ1997第11話ネタバレあらすじ
キッチンで食事の用意をしていたテウン。電話のベルがなり手を止める。
相手は住んでいる家の管理会社からで、契約を延長するかどうかの確認だった。
元々は両親が借りていたこの家、契約者はまだ亡くなった親の名義になっていたのだ。
久しぶりに耳にする父と母の名前に、懐かしさと、あれからとれだけの時間が経ったのかを改めて感じたテウンだった。
そう、気がつけばあれから7年が過ぎていた。
ユンジェを起こしに行くとまだ布団を被ったまま。
学校もあと少し、起きるように促すとユンジェからはこんな返事が
「俺は論述免除だよ」
そうだった、テウンは忘れていた。
それでも、いい匂いにつられて目が覚めたユンジェ
「おでんか」
好物なのかモソモソと起きてくる。
二人で食卓を挟み朝食を食べていると、シウォンがやって来た。
手には卵の入ったタッパを持ち、重そうにテーブルの上に置いた。
「差し入れよ」
シウォンの母からの差し入れはいつもダイナミックだ。
容器一杯の煮卵ははんぱな量ではない。
これでも減らしてもらったのだが。
シウォンはテウンの料理を見て食欲がわき、炊飯器からご飯をよそう。
テウンは優しくシウォンを見ていた。
学校ではまたくだらない賭けをしようと、ソンジェが話を持ちかけていた。教室の中に流れている最近人気のグループの音楽。
これがヒットするかしないかというもの。意見は割れる、2対2。
そこへシウォンがやってきた。
「ヘッドホン貸して」
ユンジェはシウォンが教室に入って来たと同時に自分のヘッドホンを耳にあて、聞こえないふりをしていた。
結局、ヘッドホンを借りることができず、シウォンはそのまま教室に戻っていった。
ジュニは黙ってユンジェの様子を見ていた。そして静かにCDプレイヤーの再生ボタンを押した。
やがてユンジェの耳に音楽が流れ始める。
ジュニは心の中でため息をついた。
シウォンの両親は今日から旅行に出掛けることになっている。
父は両手にキャリーバッグを持ちニコニコ顔、母は最後の支度に忙しい。
「ガスは止めたか」
「窓は閉めたか?」
「お前は?」
どこの家庭でもある戸締まりの様子。
しかし、この後が普通の家庭と違うところ。
準備完了、目の前に現れた母を見て
「お前、まだ若づくりしたいのか?」
一瞬固まる父の姿。目が点になっている。
次に出た言葉は「シウォンに連絡しろ」
最近、深夜の時間に若い女性が襲われるという事件が多発していて、ニュースにもなっていた。
今日はコンビニのバイとの予定が入っていたシウォン、親からの電話に
「大丈夫よ、気にしないで楽しんできて」
と、優しい一言を添えて返事を返す。
ユンジェを泊めるように言われたが、全くそんな気はない。
横で聞いていたユジョンは友達から聞いた話をする。
「バイト辞めたら?さらわれそうになった子がいるって」
そんな話を聞いても、自分は大丈夫という、何の根拠もない自信がシウォンにはあったのだ。
12時前には終わるし、細い道だけ気を付ければ大丈夫、そんな話をしながらバイトで貯まったお金を数える。
ユジョンにそのお金を見せようとして隣を見ると、ハクチュンに電話をしていた。
いつものように脅し文句で話ししている。
「必ずきて!来ないと別れるから!」
最近では慣れてきた光景になりつつあった。
テウンはたまたまオフィスのテレビから流れてくるニュースを目にする。
若い女性が狙われているというもの。
心配になりシウォンに電話をする。
シウォンの両親が出かけた旅行はテウンからのプレゼントなので、シウォンが一人なのを知っていたからだった。
ちょうど授業が終わり、シウォンが帰ろうとした頃にかかってきた電話が、テウンからだった。
ここでも同じように答えた。
「大丈夫よ、私のほうが力がある」
そのあと、ユンジェにも電話がかかってくる。
テウンからの電話は、シウォンの家に泊まれという内容だった。
ユンジェはどうしたらいいのか答えられなかった。
ちょうどその時、シウォンと廊下ですれ違うが、シウォンはユンジェと目を合わさない。
ユンジェの口から思わずため息が漏れる。
その頃ユジョンは女友達とカフェにいた。彼氏を紹介する約束で待ち合わせをしていたのだが、ハクチュンはなかなかやってこない。
人見知りのハクチュンは中に入る勇気が無く、屋台でおでんを食べながら、こちらもため息を漏らす。
ようやく勇気を振り絞り、代金を払い、ユジョンのいるお店に向かい、扉を開ける。
すぐにユジョンが見つけてハクチュンに手を振るが、すぐに店を出て行ってしまう。
「彼氏はいつも忙しいのね。本当にいるの?」
などと言われながらも、ユジョンが支払いをして店を出ようとすると、会計はすでに終わっていた。
ソウルの言葉を話す若い男性?
先程までのムスッとした顔はどこへやら、一変に明るい表情に変わる。
一緒にいた友達も納得してくれた様子で、ユジョンの顔も保たれたかのように思えた。
店を出ると、ハクチュンが待っていた。ユジョンは嬉しくて飛び付いた。
「私の彼よ!」
満面の笑みで紹介する。
やっと信じてもらえた!
ところが、その嬉しさもつかの間だった。後ろを歩いていた女性が声をかける。
「ハクチュン?ここで何してるの?」
偶然通りかかった母親に答えた言葉は
「近くで用事があって」
「知り合いなんだ」
ユジョンの表情は一瞬にして地獄へ落ちた時のような顔へと一変する。
友人達への信用も失ってしまったが、何よりもハクチャンの言葉に愕然としたのだ。
ショックのあまり泣きながら帰るユジョン、弁解しながら追うハクチャン。
急に母親が現れ、誰かと聞かれて慌てたハクチャンの気持ちもわからなくはないが、ユジョンにその気持ちを理解してもらうのは難しいことで。
さて、ここはユンジェの自宅。音楽を聴きながらくつろいでいた。
そしてシウォンは、同じ頃コンビニのバイトに行っていた。
交代の時間で帰ろうと店を出る。実はこの時、一人の不審な客がいたのだった。
シウォンが一人で店を出たのを確認し、その男は後を付けて行った。
テレビでは不審者が確定し、指名手配されたというニュースが流れている。
何気なく耳に入ってきたユンジェ、シウォンが心配になり家に電話をするが何度かけても電話に出ない。
シウォンもまた、自分の後ろからついてくる不審な男性に怯え、何度もユンジェに連絡をしていた。
「何で出ないのよ」
一方は助けを求め、一方は心配と不安で、お互いを確かめようとしていたのだった。
シウォンがユンジェの自宅へ電話をしたことで、ようやく連絡をとることができ、ユンジェは急いで自宅を出ていく。
オリンピックにも出られはそうなくらいの勢いで走るユンジェ。
途中、テウンからの電話にも、後からかけ直すからと切ってしまう。
途中、急に飛び出してきた自転車ぶつかり、腕を怪我して出血もしているのに、痛みさえも感じなかった。
今のユンジェの頭の中にはシウォンのことしかなかったから。
やっとのことでシウォンを見つけたユンジェ。
ハアハアと息を切らし、シウォンの肩に手をかける。
間に合った!
不審者はシウォンのすぐ後ろに迫っていたが、ユンジェの姿を見て立ち止まり、去って行った。
シウォンの肩にかける手に無意識に力が入る。
そしてユンジェはシウォンを無事に家まで送り届けた。
怪我のことなどすっかり忘れていたユンジェ、シウォンを家まで送り届けた時、シウォンから血が出ていると言われた。
シウォンがユンジェの腕を取ろうとすると、
「この程度の怪我じゃ死なない」
そう言ってシウォンの手を振り払い、ユンジェは自宅へと帰って行った。
部屋に入ったシウォンは、一人で考えていた。
今までのユンジェと自分とのことを。
幼馴染みとしてずっと過ごしてきた。
それ以上でも、それ以下でもなく、改めてお互いのことを考えたこともなかった。
でも、もしかしたら、ユンジェと自分は今までとは違う、それ以上の関係になることがあるのかも?
自宅に帰ってきたユンジェもまた、自分の怪我の手当てをしながら考えていた。
自分とシウォンの関係の難しさを。
そこへ兄テウンが帰ってくる。ひどく慌てた様子で、服を裏返しに着ていた。
「連絡がないから心配したんだぞ」
そういえば...
携帯を見る。
かけ直すと言って連絡していなかった。
着信があった。
テウンがユンジェの怪我を見て
「どうした?」
「ぶつけちゃって」
「気をつけろ、あとが残るな...」
切っても切れない家族という縁、有難いのに何と面倒なものか。
ハクチャンとソンジェはテレビの音楽番組を見ていた。
忘れてはいけない。
この前の賭けで、自分たちが勝つか負けるか、確かめる必要がある。
結果は
負けた...
二人は罰ゲームに臨まなければならない。
今回の罰ゲームは、女子のクラスに行き、好きな子の名前を叫ぶというもの。
まずは、4人で女子のクラスの教室まで移動。
見つからないように頭を低く待機。
罰ゲームは二人の予定だったが、かわいそうか、ということで
「一人でもいいぞ」
とユンジェ。
ソンジェが大きく深呼吸、勢いよく教室の扉を開けるが、その先の言葉が出てこない。
一呼吸置いてハクチャンが叫ぶ。
「モ ユジョン!」
罰ゲームは終了。
ユジョンとハクチャンが仲直りをしたのは言うまでもない。
人と人との関係は様々。
その中の男女関係に置いては、修復もできるが、ガラスのように壊れやすい一面もあるのかもしれない。