応答せよ1997第13話ネタバレあらすじ
ユンジェが裁判所の前の階段を降りてくる。
誰かと電話をしている。
反対から弁護士がが二人、階段をあがってくる。
一人はユンジェの先輩だ。「忙しそうだな」
「こんにちわ」と会釈をする。
同僚だという国選弁護士を紹介され、同じく挨拶をかわす。
どうやらその人物は兄のことをしっているらしく
「お兄さんは元気ですか?」
と訪ねてきた、まさか兄のことを聞かれるとは思ってもいなかったので、一瞬驚いてしまった。
「ええ、元気です」
ユンジェの先輩は同僚がなぜ自分の後輩の兄を知っているのか不思議だった。
「お兄さんは、ユンテウンですよ?」
「えっ!」
ここで初めて兄弟であることを知った。
兄は有名人で、知らない人はいないほど。
そしてユンジェは、優秀な裁判官として世間の人に認識されるほどの人物になっていた。
「メシを食おう、おごるよ」
「すみません、用事があって…今度お願いします。お金は子供のために使ってください。失礼します。」会釈して階段を降りかけ
「弁護士と親しくするのはマズイので…コーヒーでお願いします。」
そう言って、また会釈をして去っていった。
「あいつは真面目だな。でも決して愛想が悪いわけでもない。」
二人は、裁判所の中に入って行った。
さてと…
電話で夕食の話をしながら駐車場へと向かう。
そして格闘が始まる。
兄から譲り受けたかなりの年代物の車、動くことは動くのだが、まず運転席側のドアが開かない。
助手席から乗り込みエンジンをかける。
同時にワイパーが左右に動き、ラジオの音が車内に響く。
「くそっ」
ここ最近はいつもこんな調子だ。
動いてしまえば何ら問題はないのだが…
この6年で周りの状況はかなり変わっていた。
テウンは新しい会社で新しい開発に力を注ぎ、そのアイデアが大ヒット!
今やたいそうなお金持ちになっている。
ところがそこで終わらないのがテウンだ。
次に彼が選択したのは母校で生徒を教えることだった。
仲間たちは…
ハクチャンは映画関係、ソンジュは公務員として役所で働き、ユジョンは幼稚園の先生に、血が嫌いだったはずのジュニはなぜか医者に、そしてシウォンは
あれ以来連絡をとっていない。
どこにいるのか、何をしているのか、わからない。
今では気にならなくなっていた。
車を停め、カフェに入る。
レジで注文するのはいつも同じもの。
この時、隣にいる人物に、全く気付いていなかった。
先に気がついたのは隣の人物。
聞き覚えのある声。
どこかで聞いたような…
認識するのにそう時間はかかからなかった。
まさか…
そう、そのまさかの人物。
ユンジェの隣にいたのはシウォンだった。
ハッとして、うつむいていた顔をあげる。
同時に横を見ると、そこにはユンジェの姿。
お互いに顔を見合せ、一瞬、時間が止まる。
テーブルに向き合って座る二人。
「久しぶり」
「元気だった?」
ユンジェが先に尋ねた。
「元気だったわ」
答えるシウォン。
ちょっとした世間話をしていると
「彼女はいるの?」
シウォンが尋ねる。
「ああ、いるよ。同期の子だよ。最近付き合い始めた。」
つい、嘘をついてしまった。
「ふうん…」
ユンジェの方を見ながら、ジュニに電話をする。
「あ、ジュニ?今話できる?ユンジェ、付き合ってる人いるの?ふうん、そう、わかった、ありがとう。」
正面で聞いていたユンジェ、まさかジュニに電話するなんて…内心しまった!と思いながら話を聞いていた。
いったい、ジュニはどんな話をしたんだ?
シウォンの表情からは何とも読み取れない。
慌てて口から出た言葉は「友達だよ、友達に性別なんて関係ない!」
シウォンは冷静に答えた「友達?バカらしい」
お前のせいで俺は苦労してきたんだ!
仮病を使ったり、わざと帰省をずらしたり、同窓会にも行けないんだぞ!
バカヤロウ!
ユンジェの心の声が叫ぶ
そして、彼の心は若かりし頃の、まだ青春と呼ばれていた、あの頃に、一気に引き戻されてしまった。
自宅に帰ってから、椅子に座っているジュニの横で、落ち着かない様子で右往左往するユンジェの姿。
ジュニは彼女がいないと返答したと思い込み、一人で興奮しながらジュニに詰め寄っていた。
「頭が悪いな。いると答えた。最近彼女がてきたと言ったんだ。お前はバカか?勝手に自爆だ、一度死ね」
「…本当にしんじまいたい」
一人暴れるユンジェだった。
シウォンは一人で思い出し笑い。
そこへ一本の電話が入る。
そして表情が変わる。
ユンジェがシャワーから出てくると、ジュニが何やら着替えていた。
「ユジョンのお父さんが亡くなった」
葬儀の会場では一足先にソンジュがきていた。
弔問客の対応を一人でしてくれていたのだ。
ユジョンは疲れて横になっていた、そっと毛布をかける。
目覚めたユジョンに食事を運ぶソンジュ。
少しでも口に入れるようにすすめる。
そこへ仲間たちが到着、皆で食事をすることに。
久しぶりに集まった仲間たちの顔を見ながら、機会をくれたお父さんにも感謝した。
ソウル言葉を話すユンジェやジュニ、ユジョンは言葉を直すのに苦労した。
シウォンは周りが田舎出身の同期ばかりで、昔のままの言葉をつかっていた。
ユジョンは久々の帰省となる仲間に気を遣い、早く帰るよう促したが、食事もとらない様子が心配で、なかなか帰ろうとしない。
後悔しないよう、親を大切にしてね、というユジョンの言葉に、大人になったと実感する。
ユジョンは父親に対して、自分が優しくできなかったこと、父が心配してしてくれていたことに応えられなかったことを悔やんでいた。
帰りしな、父と娘は特別な感情があると話すシウォンに、ユンジェは羨ましく思った。彼は小さい時に父を亡くしているので、遊んでもらった記憶も、叱られた記憶もないからだ。
彼が覚えているのは、ただ父と母に会いたいという思いだけだった。
一台の車が停まった。
窓からソンジュが顔を覗かせる。
「送るよ」
ユンジェが乗り込みドアを閉める。
「お前たち二人、この機会に仲直りしろよ。」
そう言い残し、行ってしまった。
二人だけになり、タバコを口にくわえたユンジェに、シウォンは注意した。
「いつの間にタバコまで覚えたの?ダメじゃない!」
口元からタバコを取り上げる。
「もう大人だ!いいから返せ」
怯むシウォンであるはずもなく
「それより早くタクシー呼びなさいよ!」
結局、ユンジェはタバコを取り上げられた。
何気なく上着のポケットに入れたのだが、これが後から騒動の種になろうとは。
間もなく、クラクションを鳴らし二人の前に車が停まる。試合から帰る両親の乗った車だ。
こんな遅い時間になぜ連絡したのかとユンジェを責めていたが、暗がりの中でよく見ると新しい車になっていた。
母はトイレに駆け込んで行った。
「車、替えたの?」
「今頃なにいってる、ユンジェが初月給で買ってくれたんだ。」
「へぇ」
シウォンには初耳だった。
父は窓からいつもの大きな声で
「おお、乗れ乗れ、今日は試合に勝ったぞ!」
なるほど、ご機嫌なわけだ。
ユンジェに文句を言いながらも、後ろのシートに座る。
父は少しお酒を飲んでいた。
何だか寒気がするという父に、シウォンは心配になり自分の上着を使うように渡した。
ユジョンの言葉が頭の中にあった。
後悔しないように…
何にせよ、二人とも久しぶりの帰省だった。
父はユジョンのお父さんと同じことをユンジェに尋ねた。
「有給なんてとってクビにならないか?」
「いじめられてないか?」
ユンジェは嬉しかった。本当の父親のように心配をしてくれていることに感謝していた。
車内に電話の音が鳴り響く。
どうやらシウォンの携帯のようだ。
父にポケットから早く取り出してくれるように言うのだが、父の様子がおかしい。
手に持っていたのはタバコの箱。シウォンはすっかり忘れていたのだ!
これは非常事態だ!
父は怒りにまかせ、シウォンの頭を掴み
「お前は一体何をやってるんだ!」
シウォンは自分の頭を掴まれながら自分のではないと主張するが、すぐには耳を貸すような状況ではない。
隣に座っていたユンジェも、まさか自分のものだといいだせず、シウォンも我慢できず
「ユンジェのよ、私のじゃない!」
場の雰囲気に圧倒されていたユンジェ、矛先はユンジェに向けられる。
「お前のか?」
二人、顔を見合せ小刻みに頷く。
「何で目で合図してるんだ!」
どちらでも構わなかった。父の怒りはおさまらず。
母が戻ってきた。何だか騒がしいわ、と思いつつハンドルを握る。
一番冷静なのはこの人かもしれない。さすが。
3人のことなど関係ないらしい。
車は全く支障なく、賑やかに進んで行った。
ここはソンジェが働く役場。
公益公務員として窓口にいるが、早い話が何でも屋さん。
耕うん機が落ちただの、日を消し忘れただの、妊婦が破水しただの、日常的なことでの出動ばかり。
何で俺はこんなことをしてるんだ…
そんな思いで帰ろうと席を立った時
窓口に駆け込んできた一人のおばあさんがいた。
疲労困憊のソンジェは、家の電球を変えてほしいという言葉に、今日は無理なので明日きて下さいと伝える。
電球ひとつとは言っても、おばあさんには出来ないのとだったので、何とか一緒にきてほしかったのだが、今のソンジェには気力も体力も残されていなかった。
シウォンはパソコンに向かい、クイズの問題を見ていた。
電話の相手はテウン、バイトの手伝いを頼んでいた。さすが頭の切れる人物が考える問題はすばらしい。
タダではやらないというテウンに、お金はないわよ、なんて話をしていると玄関のチャイムがなる。
えっ?と、扉の外にはテウンが立っていた。
「こんな時間に女の部屋にくるなんて信じられない!」
結局、家に入れてしまうシウォン。
ん?片手にケーキを持っている。
部下にもらったのだが一緒に食べようと持ってきてくれたらしい。
お湯を沸かし、リクエストのラーメンの準備をする。
甘いもの好きの男性にケーキを送るのは、相手が好きだからよ、とテウンに教える。
美人かと尋ねるシウォンにお前ほどじゃないよ、と答える。
シウォンは誤解されるのも嫌だったし、変な噂がたったりしたら、そりこそテウンに迷惑がかかると心配していた。
責任は取るというテウンの言葉に、少し腹がたち、背中を叩いてしまう。
テウンは変わらずにシウォンのことが好きなのでかまわないのに、シウォンの気持ちは…
シウォンにとってのテウンは、足長おじさんのようにいつも自分を見守ってくれている、居心地のいい空間でいてくれる人。
それは昔も今も変わらないでいたからだ。
月日が経ち、大人になった今も、シウォンの気持ちはやっぱりテウンに向くことはなかった。
ずっとずっと待っていてくれている気持ちに応えることができないシウォンは、自分でもどうすることもできなかったのだ。
今日もソンジェは雑用係。
税金納付のポスター張りをしていた。
と、そこへ声がかかる。
有名人が来るので運転を頼むというもの。
疲れも飛びそうな楽しい仕事だ。
どこまでも運転しそうな勢いで上司について行こうとすると、昨日のおばあさんがちょうどいいタイミングでやってきた。
食事も作れないので電球を変えてほしいと頼まれたが、せっかくのチャンスを逃すわけにはいかない。
今日は忙しいと断ってしまう。
シウォンは仕事をしながら、この前の夜のことを思い出していた。
ユンジェと二人で夜中にビールを開け、二人して父に頭をひっつかまれた時のことを話した。
ユンジェには親がいない。同情されたり、可哀想だと言われるなか、シウォンの父は普通に接してくれて、普通に心配してくれる。
ユンジェは何よりも嬉しく感謝していると。
自分の前から永遠に消えてほしいと話すシウォンに、消えてやったぞと苦笑いのユンジェ。
少し間があって、口を開いたシウォン
「今でも私が好き?」
突然の問いに即答できず、今度と言って濁した。
ストレートに言葉を発するシウォンに、ユンジェはたびたび戸惑ってしまう。
翌朝、役場におばあさんが訪ねてきていた。
ちょうどそこへソンジュがやってきて、一緒におばあさんの家へ向かうことに。
おばあさんの案内でバスに乗り、目指すは最終のバス停だった。
周りは見渡す限りの山の中…
シウォンがあくびをする。
昨日はあまり眠れなかった。
葬儀に向かうためジュニを迎えに病院に立ち寄る。
シウォンとユンジェは、時間を気にしながらまっていた。
そこへジュニが走ってきた。
「ごめん、パスするよ。ユジョンを頼む。」
どうやら急な仕事が入ったらしい。
せっかく待っていたのだが仕方なく二人で向かう。
ソンジュはようやくバスを降りておばあさんの家へ歩いて向かう。
天気もいいし、空気もおいしい。
長い時間バスに揺られたので、つい体を伸ばしてしまう。
途中、景色も最高で橋を渡りながら自然を満喫していた。
駐車場でシウォンがたたずむ。
ユンジェの車を見ながら表情が固まる。
何度やっても運転席のドアが開かない。
仕方なく助手席から乗り込み、シウォンやな乗るよう促す。
不安げに返事を返し乗り込むが、エンジンをかけたとたん、ワイパーが動きラジオから音がなる。
さすがに呆気にとられるシウォン。
降りようとするも今度は中からはドアが開かない。
エンジンを止めると、不思議なことにドアは開くのだ。
かなり不安げな表情のシウォンに、動けば大丈夫だからと説明しても、心配の種はなくならない。
ため息をつき、父には新しい車をプレゼントしたのに自分のはどうなのかと問いかける。
もともとはテウンが使っていた。
思い出のたくさん詰まった車を売ることも廃車にすることもできなかったらしい。
シウォンは黙ってしまった。
ソンジュはまだ歩いていた。周りはもう暗くすっかり日も暮れているが、まだおばあさんの家にはたどり着かない。
気になったソンジュは家族がいないのか尋ねてみた。
ご主人はすでに亡くなっており、娘さんは遠くにいて会いにこない。
食べていくのに精一杯で、学校にも行かせてあげられなかった、自分は悪い親なんだと話してくれた。
気の毒に思い、親は生きているだけでありがたいものだと、おばあさんに伝えた。
自分をお荷物だと話すおばあさんの言葉に心が痛くなった。
医局で考え事をしていたジュニ、先輩がもどってきた。
さて帰ろうと椅子から立ち上がった時、ルームメイト募集中の文字が目に入る。
考えているなら今すぐ返事を、という先輩の言葉に少し考えた。
シウォンはカーステレオから流れる音楽を何気に聞いていた。
視線は鍵についているキーホルダーを見ていたがユンジェは気がついていない。
音楽が気に入らないのかと、違うものを準備し始めた。
「今も私のことが好き?」
どうして今そんなことを聞いてくるのか?
「お前は俺が好きなのか?」
少し間があって
「うん。男性として好き。」
ユンジェに衝撃が走る。
車を寄せてエンジンを停める。
どう答えたらいぃのか。
シウォンは返事を求めてくる。
こういうところは素直でまっすぐ、かわいいところでもある。
でも、ユンジェはすぐには答えられず、ただただ戸惑っていた。なかなか口に出して好きだからつきあってほしい、と言えないのがユンジェだからだ。
今度というタイミングはいつなのか。
今しかないのか…
おばあさんの家がやっと明るくなった。ソンジュは電球を取り替え、その日はおばあさんに食事をごちそうになった。
火葬場へ向かうバスの中、ユジョンは一番後ろの席で、声を押し殺し、両目に涙を浮かべていた。
皆、ユジョンのい悲しみがどれほど深いのかを、かける言葉も見つからず、ただ見守っていた。
いよいよバスが出発。ところがなせがすぐ停まった。
何だろう?
バスを止めて、乗り込んできた人物が一人。
顔を確かめ、不謹慎だがニヤッとしてしまった。
ハクチャンだ。
ユジョンは通路から自分の方へ向かってくる彼の姿を確認すると、悲しみの感情が溢れてしまった。ハクチャンが隣に座り、優しく肩に手を伸ばすと安心したのか、さらに大きな声で泣き出した。
ハクチャン、やるじゃん!
3人はそんな思いで、二人を見つめていた。
相手に気持ちを伝えるタイミングは難しいけれど、先のことはわからない。
今、伝えることができるなら、そうすることがベストなのかもしれない。
今度とお化けは二度とない…
どこかでそんなことを聞いた気がする。
玄関のチャイムがなる。
宅配便?誰から?
足長おじさんからのプレゼントらしい。
中には本が入っていた。タイトルはもちろん【足長おじさん】
このお話、結末はハッピーエンド、二人は両思いになり幸せになる。
壁に寄りかかり、考え込むシウォンだった。
さて、この先どうなるのか、気になるところ。
人間の感情の難しさ、どうなるのか、次回に期待しましょう。